退職祝い|今になってみると心の底から思う


私が小学校1年生の頃、祖父が退職しました。


母子家庭の私にとって唯一の働いている人でもありました。私の祖父は埼玉県のとある小さな定規会社の社長を長年勤めていました。

祖父が辞めると共にその会社は無くなってしまい、この会社は祖父の人生そのものでした。その祖父が退職したとき、ささやかながら家族で退職祝いをした記憶があります。

私と母親で花をプレゼントし、祖父は祖母と少し豪華な夕飯を食べていました。子供心に祖父の退職が少しショックだったことを覚えています。

もちろん退職すればずっとお家にいてくれるわけですから、その点はとてもうれしかったです。

しかし、毎日祖父が帰ってきた時に玄関に迎えに行くこと、その祖父の通勤カバンを居間に誇らしげに運ぶこと。これらのことが出来なくなってしまう、今までの祖父でなくなってしまうという寂しい気持ちがありました。

当時はあまりよくわからずに「おめでとう」なんて言っていましたが、今になってみると心の底から思うことが出来ます。

約40年間、家族のために必死に働いてくれ、そのおかげで私たちは暮して行けているということを実感できる年齢になったからでしょう。

祖父は今でも「目盛屋」だと自分で言っています。また私の母も「目盛屋の娘」と自分でいっています。

祖父は自分の仕事に本当に誇りを持っており、娘である私の母にもその思いは伝わっていたのです。こんなにも自分の仕事を大切にしていた祖父。本当にお疲れ様でした。

Pocket