退職祝い|どうしても何かお祝いをしたい

一般的に退職を祝うのは、定年まで勤め上げたお祝いであることが多く、私も技術者であった父の退職時には何かしようと考えていました。

しかし、60歳を前にして長年勤務していた会社は閉鎖しました。閉鎖と言っても実質は倒産に近かったため、退職金は無く、弟はまだ学生であったため、つてを頼って再就職しました。

比較的条件が良い会社であったため、住居も移し張り切って働き始めましたが、3年ほど経ったころ、軽い脳梗塞を起こし、闘病から休職しそのままとなりました。

その後、幸いにも後遺症も無く快癒しましたが、年齢も65歳になっており、再び働きたいという意欲は無くしてしまったようです。

もっとも、働く気があったとしても職は無かったと思います。結局、花束やご馳走、プレゼントなど華々しい雰囲気とは無縁なまま、気付いたら永遠に退職していたという感じでした。

当時、すでに社会人であった私は、何度かの苦しい時代を乗り越えて、働き続ける困難さを実感している最中だったので、どうしても何かお祝いをしてあげたいと思いました。

母と弟にも声をかけましたが、今更感が強いらしく乗り気ではなかったため、近場の温泉に一泊するだけのお手軽なお祝いで済ませました。

子ども時代は父が働き続けることは当たり前であり、父の日も単なるイベントとして過ごしていました。

でも、いざ自分自身が親になってみると、職を得て働き続けることは大変なことだと実感します。

せめて、古希のお祝いは盛大にと思っていましたが直前に帰らぬ人となり、


曖昧な退職祝いは苦い思い出になっています。でも、一泊でも温泉旅行にいけたことは、ささやかな思い出となっています。

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