退職祝い|大先輩へ意味のあるプレゼント

私が会社を定年退職される大先輩に贈った退職祝いは、大工道具一式でした。

私の勤務する会社は、洗面キャビネットやキッチンを開発製造するわりと大きな企業です。

私に仕事を教えてくださった大先輩は、私が入社したころには57歳で、3年ほどしか仕事をご一緒できませんでしたが、現場での振る舞いや、人との接し方、モノを管理することがどういうことかを厳しくも優しく教えてくださった人でした。

私たちの部署は、できあがった製品が、設計通りにできているかを確認する製品評価という仕事をする課で、常に品質を第一に様々な試験を繰り返しています。

ほとんどの製品は、性能をクリアしていくのですが、なかなか性能がでてない製品を確認したときには、原因を究明していきます。

私は、モノの組み立て方や構造は、図面をみているので大体頭に入っているのですが実際にモノを触ったことがなく、いざ解体して原因を探しても、まったくわかりませんでした。

そんな時、大先輩である、Aさんは、勘所を教えてくれます。長年の勘で、探っていくと、必ず原因となる部分を見つけ出してしまうのです。

どうして、そんなことが勘でわかるの訊ねてみると、「モノがうまくいく構造は、いつもきまっていて、それから外れた設計をしているから、必然的にトラブルが起こる」と教えてくれました。

口癖は「普通のことを普通にするのが一番難しい」でした。今、私は後輩に同じことを教えています。

そんなAさんが、退職したら、築30年の自宅を少しづつ修繕していくのが日課になるんだと笑って話しているのを覚えていました。

定年退職する日、大きな箱を手渡した時、???な反応でしたが、中を見た時に、とても喜んでくれました。

モノつくりにかかわっていたからこそ、意味のあるプレゼントになったと思います。

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