数年前、
定年退職で父が40年弱のサラリーマン生活を終えました。
日頃、あまり感情を表さない父ですが、その日は感慨深いものがあったのではないかと思います。
家ではおだやかな父でしたが、お酒を飲むこともなく、友達づきあいも多い方でないので、サラリーマン生活におけるストレスもそれなりにあったのではないか?と思います。
それを私が感じたのは、ふと机においてあった父のスケジュール帳をみてしまった時でした。
そのスケジュール帳に、雑誌か新聞の切抜きがはさんであったのですが、そこには「俺がやらねば、誰がやる・・・」というような詩?が書いてありました。
いつもニコニコしている父ですが、組織の中で長い間勤めるという事は、想像以上に大変な事なのだろうと思い、父が定年退職する時には必ず退職祝いをしようと密かに心に決めていました。
私は、既に嫁いだ身だったので、お祝いを後日プレゼントする事に決めました。唯一の趣味が温泉巡りの父のために、温泉旅行をプレゼントする事にしました。
当初、両親に高級な旅館の温泉旅行をプレゼントしようと思っていたのですが、孫と過ごす時間が何よりの楽しみの父のために、家族全員で行けるような宿を探しました。
両親と、私達家族、そして弟家族も加わる事になり、結局、夫の会社の保養施設を利用する事になりました。
会社の保養施設なので高級とは程遠い旅になりましたが、大好きな孫達にに囲まれての温泉旅行は父にとっても何よりも楽しい思い出になったようです。