退職祝い|父の定年は同時に母へのお祝い

6年前に父が定年退職したとき、そのお祝いに両親は夫婦水入らずで北海道旅行をしました。

二人とも一度も北海道に行ったことがなかったので、「退職したら絶対に行こう」と早くから決めていたのだそうです。

その予定を事前に聞いて、私は弟に「われわれも、何か退職祝いを考えよう」と持ちかけました。兄弟それぞれ反抗期があって、おやじにはずいぶん反発したり煙たがったりしたものです。

特に弟は高校の時にちょっとグレた時期がありましたし、「これまでありがとう、お疲れ様」という父に対する気持ちを、形にしたかったのです。

さて何を贈ろうか。いろいろアイディアを出し合いました。おやじは渓流釣りが趣味だから、釣り竿がいいんじゃないか。けれど、どんな竿がいいのかわれわれ素人にはわからないし、釣竿はいいものになるとびっくりするような価格らしい。

じゃあ、食事はどうか。ウナギとか寿司とか。ただそうなると、おやじだけではなく家族みんなでということになってしまう。

それなら、おふくろと夫婦の食事をプレゼントする、っていう手もあるな。・・・・・・と話が展開して、「そうか」と弟と気づいたことがありました。

それは、

父の定年退職祝いは、同時に母へのお祝いという意味も持っているということです。

父が無事に定年まで勤められたのは、それを支え続けた母の力が大きいわけです。ならば二人への「退職祝い」を贈るのが、こどもとしては適切だろう、と思い至ったのです。

相談して、旅行鞄を贈ることにしました。ちょうど夫婦の北海道旅行が決まっているということもありましたし、これからのセカンドライフ、二人でたくさん旅を楽しんでほしい、というメッセージです。

最初はおそろいの鞄とも思いましたが、それだと父が照れて使わなくなるおそれがあるので、それぞれちがうブランドのものにしました。その鞄は今も愛用してくれています。

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