退職祝い|形には残らない思い出のプレゼント

母が定年退職した時の思い出です。

母は長らく小学校の教員をやっていたので、子供達からの気持ちのこもった物が何よりも好きでした。

作品展などでも、上手にうまくできている物よりも、荒くても自分らしさがアピールされている様な作品をよく褒めていました。

そんな、母の定年職する際に。子供達が考えて、皆で力を合わせてプレゼントを作る事になりました。

子供達はそれぞれの意見をいろいろと出しましたが、全員が一つとなれる物を作るとなると、ピンとくるアイデアが浮かびませんでした。

何をするのが悩み続けた子供達は、困った末に音楽の先生に相談する事にしました。音楽の先生のアドバイスは、形にとらわれるばかりでなくて、先生の好きな事は何か、何がお気に入りなのかを調べてご覧という話でした。

先生の好きな物、子供、歌、花。そのヒントから、子供達は、皆で合唱をプレゼントする事にしました。

クラスが一つになる。まさに先生の大好きな事です。ただ歌うだけではなくて、歌いながら、一人一人が持てるパネルを作り、歌に合わせて全員でめくりながらストーリー性を持たす事にしました。

歌はバラが咲いた。子供達には少し難しい音程でしたが、音楽の先生も手伝って子供達用にアレンジされて、見事、合唱ソングになりました。

パネルをめくりながら、最後には、全員で一つの大きなバラになるという流れでした。当日プレゼントされた母が感極まった事はいうまでもありません。

今も、たまにふと口ずさんでいる時は、きっと、あの時の思い出を思い出していると思います。

形には残りませんでしたが、何よりの定年退職祝いだったようです。

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