退職祝い|定年祝いは日本的な思いやりの心


職場で同僚や職場の仲間から退職祝いの品をあげることについてはきわめて日本的な慣習だと思います。


入社式が春にあったように、退社式があるのか、というとありません。定年退職というのはあるその会社の定められた年齢になったら次の日からは職場に来ない、退職となるのです。

節目の儀式が好きな日本人にとって、その儀式的なものがないかわりに同僚からその人に対して贈り物をする、というのが退職祝いとしてのプレゼントの品になっていったのかもしれません。

そのような日本的なお祝いについてこれもまた日本的なやり方だと思ったのは父が受け取ったお祝いの置時計です。

全国的に知られている会社ですから、組合などの予算に退職の記念品を贈るシステムになっているのでしょう。

しっかりと置時計の下には会社名が記されていました。その置時計は会社からなのですが、お祝いとして賛同した人たちの名前、というのもリストとして一緒に送られました。

後日私はそのリストをこっそり見たのですが、会社の全国規模に対しそんなに多くない人々の名前がありました。

ざっと見て三十から四十人くらいだったと思います。そこには全国各地の支部の名前と賛同した人の個人名がありました。

その会社に三十年くらい勤めていたので、七ヶ所くらい父は赴任していました。その支部の中に振り出しのところ、つまり最初に赴任したところや、今まで転勤で行ったところの支部に現在勤めていらっしゃる方の名前がありました。

組合からお願いがあったのかも知れませんが、お祝いに賛同する、という趣旨に心から名を連ねていただいた方のお気持ちがなんともいえない気がしました。

退職には節目の儀式がない、きわめてユニークな慣習ですが、日本の思いやりの心があることを感じました。

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