退職祝い|先輩は涙を流し喜んでくれました

今年3月末に大変お世話になった先輩が満期退職することとなり、何を退職祝いにするかしばらく考えました。

先輩は人生はただ一度きりであり、それであれば好きなように生きたいというのが口癖でした。

退職までにできるだけ我慢してお金を貯めて、定年退職後は悠々自適の生活を送ると考える人がほとんどの中で、まさに異色の存在であり、輝いて見える人でした。

月に一度は沖縄に行き、年に4回は海外に行き、車は最高級車を乗り回し、身に着けるものもできるだけ高級なものを身に着けるという徹底ぶりで、ダンディズムを地で行っている人でした。

しかし、その破天荒な生活は、離婚という結末を迎え、親もすでに亡くなり、子供も作らなかった先輩は、天涯孤独な身となりました。

まだ仕事をしていれば、孤独という寂しさも紛らわすこともできますが、3月末で仕事もなくなる状況に、退職祝いするのも憚れました。

予想通り、私のほかに先輩に世話になった人たちも、贈る会や祝う会を企画しても、すべて辞退してしまいました。退職金が何千万円も入るのに、多少の記念品を渡しても喜ぶわけがありません。

先輩は、再任用という道は選ばないと再就職の予定もなく、会社に再任用の手続きもしていませんでした。

しかし、1月頃からなんとなく言動が変わってきて、どんな形であれ、後身を育てたいと漏らすようになりました。

このとき、私の脳裏に先輩に、イレギュラーだけれど、再任用雇用というプレゼントで退職を祝ってあげようと閃きました。

一度断って、締め切りも過ぎたにもかかわらず、再任用の手続きを行うことは容易な作業ではなく、頭の固い人事部を動かすことは容易ではありませんでした。

先輩が残ることが会社にとって利益になることを切々と説いて、2ヶ月かかって、先例のない再任用となりました。

3月中旬に話を持っていくと、

涙を流し喜んでくれました。先輩のこれまでの恩義に多少なりとも報いられる退職祝いとなり、私もうれしかったです。

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